度重なる転勤帯同の中から見つけた、置かれた場所で自分の花を咲かせる方法

畑 さち子

Sachiko Hata
コーチ、研修講師、ウイメンズキャリアメンター

【資格】
国際コーチ連盟(ICF)プロフェッショナル認定コーチ(PCC)、日本アンガーマネジメント協会ファシリテーター・トレーナー・アドバイザ・叱り方トレーナー、Points of You®認定トレーナー、ドリームマップICPファシリテーター、ウイメンズキャリアメンター
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【メンタリング価格】
1回お試し 15,000円/時
3回パック 42,000円(14,000円/時)
5回パック 65,000円(13,000円/時)
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【著書】
「子どもが伸びる!コーチングブック」(共著)合同出版

INTERVIEW


今までのキャリアを教えてください

日系航空会社に地上職として入社しました。当時(昭和50年代半ばごろ)は4年制大学卒の女性を敬遠して採用を控えていた企業が多く、選択肢が限られていました。航空は女性にも門戸が開かれていた数少ない分野で、中でも国際線を運航していたその会社は、子供の頃から海外への憧れを強く抱いていた私の目に“世界への窓”のように映ったのです。職場環境はとても良く、女性にも管理職に昇進するチャンスが与えられていました。ただし女性は転勤が叶わない配置しかありませんでした。

今なら夫と別居して支店勤務を続けるという選択肢も考えられたと思いますが、当時はまだ“女性は結婚したら退職して家庭に入る”ことが、その会社だけでなく社会全体として当たり前の風潮。なので私も当然のように退社して夫と暮らすことを選びました。その後も夫の転勤が続き、17年間で実に7回の転勤・引っ越しをしました。

一時期オーストラリアに移ったのですが、その直前まで関西でママネットワークを作ったり、書籍の出版などに携わっていました。仲間たちとの活動はとても楽しく、最高に充実した日々を送っていました。そんなふうに積み上げてきたものが、また引っ越し(オーストラリア国内)によってゼロに戻る気がして、心底がっかりしたのです。とはいえ、始まってみると海外生活は楽しいものでした。でもふと「ここで私は何ができるのだろう」と考え、ビザや言語の問題に阻まれて単純労働すらできない自分と向き合わされたのです。

自分には何があり、何ができるか – 窮地に追い込まれて気づいたのは、当たり前のことかもしれませんが“日本語力”。それを活かせる仕事は、オーストラリア人向けの日本語教師だけだと考え、資格取得に向けて勉強を始めました。“教える”という仕事は経験したことがありませんでしたが、実際に仕事に就いてからは、楽しくて没頭しましたね。帰国後「私は日本語を教えたいのだろうか?頑張っている人を応援したいのだろうか?」と自問自答し、頑張る人に伴走したいという思いから、コーチになりました。コーチになってからは、無料セッションを繰り返しながらそこから良い評判を積み上げ、その後、ようやく仕事が入るようになりました。コーチとして船出した私は、新たな流れに身を任せるうちに、やがて“メンタリング”に出会うことになるのです。


度重なる転勤帯同で困惑することはなかったのですか?

かなり困惑しました。そんな状況下で出産もしたし、個人的な活動もしました。夫も私のやりたいことを応援してくれました。しかしやがて来る転勤の辞令・・・単身赴任の選択肢もありましたが、子どもも小さかったので、結局は毎回一家で引っ越し。ある場所で咲いていた花が抜かれて、いきなり別の知らない場所に植え付けられ「ここでまた頑張って根を張ってくださいね」と言われているような感覚でした。被害者になったような気分に陥ったこともありましたが、夫と行動を共にする選択をしたのは私です。それに気づき「ならば自分はこの状況でどうするか」を模索するようになりました。

私の人生に、具体的に目標を定め、それに向かって邁進するような場面はあまりありませんでした。しかしそれは決して受動という意味でなく、常にアンテナを立て、自分が与えられた環境とスキルの中で何ができるかを考えてきた。そうやって今の私が存在します。


 “コーチング”と“メンタリング”の違いは何ですか?

両者の基本姿勢は“考えるのも決断するのも相手が主体”であるということで共通しています。
 
大きな違いは“メンタリングはアドバイスをする”ということです。なのでメンタリングの方がより相手に斬りこんでいくという印象があります。ただしメンターからのアドバイスを納得して受け入れるかどうかは相手、つまりメンティさんにかかっています。コーチングの方が効果が出る相手と、メンタリングの方が効果が出る相手がおり、それぞれの特徴や強みがあります。
 
今後私が積極的に支援させていただきたいのは“次世代の女性”です。私も頑張ってきたつもりですが、一方でたくさんの人たちに助けていただきました。その人たちに恩返しをしたい気持ちはもちろんあります。でも中には離れ離れになってしまった人もおり、難しい。だからその代わりに、未来ある女性たちを支援したい。いわば“恩送り”ですよね。女性は結婚や出産、子育て、介護、そして私のように夫の転勤など、置かれる環境に自らの人生を左右される傾向が男性よりも高いと思います。そんな中で女性たちは頑張っています。私は彼女たちを応援したいのです。
 
この思いが、私を“メンタリング”に導きました。今の30代~40代の女性にとって、私は少し先を歩いてきた先輩です。彼女たちに対して、「あなたはどう思いますか?」「あなたはどうしていきたいですか?」と問い、自分たちの中にある答えを導き出していくというコーチングはもちろん効果的です。
 
ただ最近は彼女たちから「こんな時、畑さんならどうしますか?」「どうやってきましたか?」など、アドバイスを求められることが増えてきました。「彼女たちが少しでも先に進めるのであれば、貢献したい」という思いはありましたが、きちんと勉強した上でアドバイスできるようになりたいと思いました。それが“メンタリング”をしっかりと意識したきっかけです。


現在は、とても多くの女性リーダーをクライアントに持つ畑さん。なぜ女性リーダーを応援したいのですか?

2つ理由があります。まず“影響力が大きい”からです。
 
例えばすでにご結婚されてお子さんもいらっしゃる女性管理職の人であれば、その人のことをたくさんの人たちが見ていると思います。もしその人が生き生きと楽しそうに仕事をされているのであれば、彼女たちの後輩や部下の女性たちは「結婚して子どもがいても、あの人のように楽しく働くことができるんだ」「社会に貢献できるんだ」と感じる。
 歯を食いしばって、がむしゃらに肩ひじを張らなくても、社会で認められるということを、多くの女性たちに感じてもらえ、彼女たちの考え方や行動も変わり、やがて日本の社会を変えることができる – そのような可能性を感じ、女性管理職の皆さんを支援させていただきたいと考えています。
 
2つ目の理由は、女性管理職が「自分が昇進することで、後進の女性たちに道を開いてあげたい」「自分が楽しくがんばっている背中を、後に続く女性たちに見てもらいたい」と考えて日々仕事をしているということです。例えば「私は頑張ったけど役員になれなかった。後に続こうとしている女性たちに“この会社では、女性は役員になれないんだ”と思わせてしまった」とおっしゃった人がいました。「そんなに背負い込まなくても良いのに・・・」と思うのと同時に、「そこまで頑張っているのなら、私と話すことで少しでも楽になってほしい」と思います。
 
私は管理職そのものは経験ありませんが、多くの女性リーダーたちをクライアントとして導いてきました。いわば、プロの伴走者です。
 
彼女たちはリーダーである前に、もがきながら前に進もうとしている人たちです。高いポジションにいる女性ほど、一生懸命で、一人で悩んでいる。中には「言葉って、人に指示を与えるために存在するのだと思っていました。自分の感情や考えを聞いてもらえるだけで、こんなに力が湧くものなんですね」とおっしゃる人までいました。そんな彼女たちの姿が、とてもいとおしく感じます。ポジションが上がれば上がるほど、本音や弱音を言う相手がいなくなってしまうんですね。
 彼女たちは、本当に一生懸命頑張っています。私はそんな彼女たちに「本当によく頑張っているね」と言って寄り添ってあげたい。そういう思いで、私は彼女たちにメンタリングをさせていただいています。
 私と話すことで元気を出し、自分の道を見つけ、成果を出していってほしい。そして周りの女性たちのモデルになっていただけたら、メンター冥利に尽きます。


 

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